子くじらくんの指輪

少し前ですが、オーダーでお仕立てしたリングです。

以前ご結婚指輪をご依頼いただいたのですが、その際のテーマがくじら。

でもくじらです!というようにわかりやすいモチーフものではなく、フォルムをくじらのようなふっくらした形にして、一見するとふっくらと丸みのあるリング、という印象にお仕立てしました。

それから数年、お子さまが生まれて、記念に重ね付けをする用のリングをということで、ご依頼いただきました。

重ねるご結婚指輪が、トップに向けてふっくらと厚みと幅の出るタイプでしたので、そこにできるだけ沿うように、そしてエタニティーのようなダイヤの連なる感じもご希望で、またくじらに沿うようになるので、子くじららしい何かが入らないか?ということで色々と考えました。

様々な要素が絡み合っているようで、意外と私の頭の中では、こんな感じかなというイメージができていて、後は重ねるためのあれこれを考えるのに手間取りましたが、何とも良い感じにまとまりました。

まずは絞りの入ったハーフエタニティ部分。

ふっくらとした幅に沿うように、絞りをつけました。

こちら側はびっしりと並んでいます。

もう反対側は、半分まで。

その向こうは、、、

滑らかな曲線が入った部分が見えてきました。

このちいさくふっくらした部分を、子くじら君に見立てたのです。

指輪は裏にもひっくり返して使うということで、表はハーフエタニティーとしてダイヤを存分に楽しみ、ひっくり返すとお母さんくじらの下に、子くじら君が引っ付いているように揃えました。

一見はもちろん少し形に個性のある、絞りの入った一本のハーフエタニティですが、たくさんの思いが詰まっています。

ご本人にはわかる。

それくらいのモチーフの取り込み方が長く使えてちょうど良いのかなと思います。