鍛造:溶かす・叩く・なます・叩く・伸ばす・丸める
を繰り返して、鍛造というひとつの技法で作り上げていきます。
これはプラチナ。
金属によって融点が違い、プラチナはかなり高温出なくてはなりません。
なので、酸素バーナーを使います。
ゴォォォーとかヴォォォォォーとかなんとも形容しがたい強い音をアトリエいっぱいに響かせながら、まずは溶かします。
解けた瞬間のトロッと艶めく白金色はなんとも言えない美しさですが、すみません、撮り損ねました。
というわけで、そのあとを。
強く強力な炎で溶かされたプラチナは、火を止めると瞬時に固まり始めます。
そこをぼーっと見ていてはいけません。
即座につまみ、金床で叩いてしめていきます。
しめて、叩く金鎚の音が硬さを感じ始めたところで、また炎で炙って柔らかくします。
これをなますといいます。
なましています。
この段階ではプラチナ色ですね。
ずーっと火を当て続けていると、こんな感じになります。
目が痛い!
この時、直接見てはいけないくらい明るいですので、マルコのような眼鏡をかけます。
カメラ越しとはいえ、目がつぶれそうでした。
明るすぎてうまく撮れないのです。
これは、溶かしてある程度叩いて形を整えた後に、また炎を当てた直後です。
見ているだけ指が溶けてしまいそうなくらい、熱さが伝わります。
挟んだやっとこもなかなかの熱をもってきます。
金鎚でがつがつと叩いていきます。
そうこうしている間に、冷えてきて色がプラチナ色に戻りました。
これを見てもわかるように、プラチナはこれだけの炎でも色が変わりません。
冷めたら元通り。
このあと、これを何回も繰り返し、ローラーで今度は伸ばして、形を整えて、きしめんのような感じに伸ばし、リング状に丸めていきます。
金属は叩くと硬くなります。
硬いままだと、曲げたりという作業に耐えられなくなり、割れてしまいます。
なので、溶けてしまわない程度に炎を使い、なましつつ叩いてを繰り返します。
刀鍛冶をイメージするとわかりやすいですかね。
炎にくべて、叩いて、くべて、叩いて。
映画や何かのシーンで見たことがある人も多いのではないでしょうか。
そしてどんどんと強い刀になる。
これと同じように、鍛造で作られるリングには、柔らかいプラチナといえどかなりの硬さが出ます。
それにしても、この炎で炙られている瞬間の色。
美しい。
じゅーじゅー音がしそうです。
ドラゴンの炎で焼かれたら、こんな風ですかね。
ホビットのスマウグのような。
そういう古のお話と、炎と、貴金属、装身具、切っても切れない感じがします。
ベネディクト・カンバーバッチ。
かっこいいですよね。
かっこいいというか、何とも魅力的な人物ですね。